電気通信大手のDeutsche Telekom(ボン)が23日発表した2011年12月通期決算の最終利益は5億5,700万ユーロとなり、前期の16億9,500万ユーロから67.1%減少した。米移動通信子会社T-Mobile USAやギリシャなどの南欧子会社で減損処理およそ30億ユーロを計上したことが直撃。T-Mobile USAを米AT&Tに売却する取引の取り止めに伴う違約金収入がなければ赤字に転落していた。
\売上高は586億5,300万ユーロで6%減少した。国外が8.1%減、国内も3.3%減とともに後退している。営業利益(EBIT)は1.5%増の55億8,600万ユーロとやや拡大した。
\同社は経営不振のT-Mobile USAをAT&Tに390億ドルで売却する契約を昨年3月に発表したものの、規制当局が独禁法上の疑念を強く表明したため断念。違約金30億ドルなどを受け取った。
\T-Mobile USAはブロードバンド網の整備の遅れや競争激化を受けて業績が悪化している。Deutsche Telekomは今後、同子会社の通信網を近代化し経営を立て直す方針。
\T-Mobile USAは米国の移動通信サービス事業者のなかでAppleのスマートフォン「iPhone」を取り扱っていない唯一の企業。このため顧客が大量に流出しており、昨年は契約顧客数が170万人も減少した。
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