特殊化学大手の独Wacker Chemie(ミュンヘン)は5日、南京工場内にエチレン酢酸ビニルコポリマー(EVA)とポリ酢酸ビニル(PVAc)の生産施設をそれぞれ新設すると発表した。アジア太平洋市場の旺盛な需要に対応するとともに、太陽電池用シリコン事業への依存度を引き下げる狙い。総額4,000万ユーロを投資する。
\EVAはコーティングや接着剤に用いられる原料。Wackerは南京工場での同原料の生産能力を現在の6万トンから12万トンへと倍増する。新生産施設は来年半ばの稼働を予定している。
\チューインガムの原料であるPVAcについては年産能力2万トンのプラントを建設する。来年初頭の完成を見込む。
\Wackerは半導体と太陽電池の原料である高純度シリコンの生産で世界2位につける。太陽電池価格の急落を受け、顧客メーカーとの間で取引価格引き下げに向けた交渉が始まっており、同事業への依存度の引き下げは緊急の課題となっている。
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