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2012/3/21

経済産業情報

フランクフルト空港の夜間離着陸禁止、最高裁が支持

この記事の要約

フランクフルト国際空港の深夜離着陸禁止をめぐり13・14日に開催された口頭弁論で、連邦行政裁判所(最高裁)の裁判官は23~5時の離着陸全面禁止を言い渡した前審・ヘッセン州行政裁判所の判断を支持する考えを示した。4月4日の […]

フランクフルト国際空港の深夜離着陸禁止をめぐり13・14日に開催された口頭弁論で、連邦行政裁判所(最高裁)の裁判官は23~5時の離着陸全面禁止を言い渡した前審・ヘッセン州行政裁判所の判断を支持する考えを示した。4月4日の判決では、禁止が確定する公算が極めて高い。

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ヘッセン州政府は、昨年10月30日に開業したフランクフルト空港の第4滑走路に対し23~5時の時間帯に最大17便の離着陸を認めていた。これに対し滑走路の飛行ルートに当たるリュッセルスハイムとオッフェンバッハ市の住民は、騒音が生活や健康に深刻な影響をもたらすと批判。計画撤回を求める裁判をヘッセン州行政裁判所に起こし、同裁は10月11日、特に静寂を確保する必要がある深夜時間帯に離着陸許可を与えた州当局の計画には問題があったとして同時間帯の離着陸を全面禁止する判決を下した。州当局は手続き上の誤りを認め離着陸禁止を受け入れる意向を示していたものの、「最終的な判断による(動かしようのない)法的根拠が必要」として上告していた。

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連邦行政裁の裁判官は「フランクフルトのような大都市にある空港というだけで、24時間の離着陸を自動的に認める理由にはならない」と前置きしたうえで、航空会社が事業を展開するうえで可能な限り有利な条件を提供したいという州政府の立場は深夜離着陸を正当化する根拠として全く不十分と指摘。「深夜の騒音からの住民保護を判断基準として持ち出したヘッセン州行政裁判所の考えは適切だった」として同裁判決に支持を表明した。

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