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2012/3/21

経済産業情報

航空貨物の保安対策基準強化まで1年

この記事の要約

民間航空貨物の保安と物流の効率化に関する欧州連合(EU)規則の強化に伴い、現行の「特定荷主/特定フォワーダー(KS/RA)」認定が約1年後に失効する。2010年4月28日以前に連邦航空局(LBA)からKS/RA認定を受け […]

民間航空貨物の保安と物流の効率化に関する欧州連合(EU)規則の強化に伴い、現行の「特定荷主/特定フォワーダー(KS/RA)」認定が約1年後に失効する。2010年4月28日以前に連邦航空局(LBA)からKS/RA認定を受けた企業は、来年3月24日までに新たに認定を取り直さないと、同日から認定業者としての特典を受けられなくなる。このためLBAは当該企業を対象に広報キャンペーンを開始、周知徹底に努めている。

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KS/RA 制度は航空機テロの防止に向けた航空貨物の検査強化が必要となるなか、安全管理面の信用が事前に確認されている荷主や航空貨物利用運送事業者を特定荷主(Known Shipper)/特定フォワーダー(Regulated Agent)として認定しX線検査などを免除することで、スムーズな物流を実現させるものだ。EUでは2010年4月29日に新たな規則が施行され、新制度への切り替えに3年の猶予期間が設定された。

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LBAからKS/RA 認定を受けている事業者はおよそ5万5,000社に上る(独商工会議所連合会の調べ)が、LBAによると、11年末までに新たな認定を受けた企業はこのうちの44社に過ぎない。LBAは認定手続きに要する費用を理由に申請をためらっている企業もあるとしながらも、「大半は失効による影響の大きさ、あるいは失効すること自体を認識していない」と指摘。認定を抹消されると輸出に時間がかかるなど切り替えコスト以上の不利益を被る恐れがあるとして、手続きを急ぐよう呼びかけている。

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