欧州経済の中心地ドイツに特化した
最新の経済・産業ニュース・企業情報をお届け!

2012/3/28

総合 - ドイツ経済ニュース

臓器提供の意思を各市民に確認へ、全政党が賛成

この記事の要約

臓器移植意思表明法案の第一読会が22日、独連邦議会(下院)で開催され、全政党の議員の大部分が賛意を表明した。同法案は欧州連合(EU)指令を国内法に転換するもので、臓器提供の意思を各市民に確認するルールの導入が柱。今夏まで […]

臓器移植意思表明法案の第一読会が22日、独連邦議会(下院)で開催され、全政党の議員の大部分が賛意を表明した。同法案は欧州連合(EU)指令を国内法に転換するもので、臓器提供の意思を各市民に確認するルールの導入が柱。今夏までに可決する見通しだ。

\

法案が可決されると、16歳以上の市民は全員、加入する健康保険組合/会社から死後に臓器を提供する意思の有無を問う文書を受け取ることになる。「はい」「いいえ」で回答するほか、無回答も認められている。特定の臓器のみを提供する意思を伝えることも可能だ。

\

「はい」の回答をした市民には健保から「ドナーカード」が送付される。政府は電子健康保険証に同データを記録することも視野に入れている。

\

ドイツには臓器移植を待つ患者が1万2,000人いるが、ドナー数が少ないため毎日3人のペースで死亡している。一方、市民の75%が臓器提供に前向きな考えを持っているにもかかわらず実際にドナーカードを保持するのはそのうちの25%にとどまることがアンケート調査で分かっている。政府は新ルールの導入によりドナーカード保有者が増え、患者が臓器提供を受けるチャンスが高まることを期待している。

\