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2012/3/28

企業情報

General Motors―独英2工場を閉鎖か―

この記事の要約

自動車大手の米General Motors(GM)は、低迷する独子会社Opelの大規模なコスト削減に乗り出すもようだ。米『ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)』紙によると、GMは欧州の複数の工場を閉鎖する計画で、独 […]

自動車大手の米General Motors(GM)は、低迷する独子会社Opelの大規模なコスト削減に乗り出すもようだ。米『ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)』紙によると、GMは欧州の複数の工場を閉鎖する計画で、独ボーフムと英エルズミアポート工場(Vauxhallブランド)が候補の筆頭に上がっている。西欧の生産能力を縮小しコストの安いアジアなどでの生産比重を高める考えとの報道もある。

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独『シュピーゲル』誌が入手したGMの内部文書によると、同社は労働コストの安いポーランドやロシア、中国、インド、メキシコなどでの生産を拡大。一方、コストが高いうえに市場が飽和状態で成長が見込めない北米・西欧では生産を縮小し、低コスト国からの輸入で賄う方針という。この戦略に沿って欧州ではボーフム工場を遅くとも2015年までに閉鎖し、グリヴィツェ工場(ポーランド)の生産能力を25%引き上げる。また、メキシコ、韓国、中国の工場で生産する欧州市場向けモデルの規模を16年までに30万台に引き上げる。

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『ファイナンシャル・タイムズ(ドイツ版)』紙によると、欧州8カ所にあるOpel/Vauxhall工場の稼働率は現在75%に過ぎず、2億ユーロの固定費削減が必要とされる。

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Opelのシュトラッケ社長は「労使協定によってボーフム工場は14年まで存続する」として、同工場がただちに閉鎖に追い込まれるとの観測を否定したが、14年以降も存続するかについてはコメントを避けた。経営陣は28日に事業所委員会との会合を開き、コスト改善に向けた対応を協議する。ただ、この会合で工場閉鎖が取りざたされることはないとしている。

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