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2012/4/18

企業情報

Evonik Industries AG―中国で合弁解消へ―

この記事の要約

化学大手の独Evonik(エッセン)が中国の合弁会社Evonik Sanzheng Fine Chemicalsから撤退する。現地提携先の不正行為が数多く判明したためで、同社の広報担当者は「できるだけ早く合弁を解消したい […]

化学大手の独Evonik(エッセン)が中国の合弁会社Evonik Sanzheng Fine Chemicalsから撤退する。現地提携先の不正行為が数多く判明したためで、同社の広報担当者は「できるだけ早く合弁を解消したい」と明言した。『ハンデルスブラット』紙が同社の内部文書などに基づき17日付で報じた。

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Evonik(旧Degussa)は2005年、殺虫剤の原料である塩化シアヌルの世界市場でシェアを喪失した。このためシェアの奪回に向けて製造コストの低い中国に現地の事業家Liu Z.氏と合弁会社Evonik Sanzheng Fine Chemicalsを設立。Evonikは65%を出資し経営権を握った。

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同合弁は2009年になって突然、赤字に転落した。不自然な支払いが数多くあった。

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その後、Liu Z.氏は合弁会社の社長ポストを要求。これを断ってデグサが送り込んだ新たなドイツ人社長はLiu Z.氏の委託を受けた人物に工場前で暴行されたという。

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Liu Z.氏はさらに、自らが当局の役人に支払った賄賂85万ユーロの負担をEvonikに要求したため、同社は合弁解消を決定した。同合弁にからんでEvonikが被った損失は推定2,500万ユーロに上る。クラウス・エンゲル社長は「われわれは豚小屋を見つけた。すみやかに清掃する」と語っている。

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