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2012/4/25

総合 - ドイツ経済ニュース

GDP成長率、今年は0.9%に低下=合同予測

この記事の要約

Ifoなど国内外の主要経済研究所は19日発表した共同作成の『春季経済予測』で、ドイツの実質国内総生産(GDP)成長率が昨年の3.0%から今年は0.9%に低下するとの見通しを示した。内需は好調を維持しているものの、欧州債務 […]

Ifoなど国内外の主要経済研究所は19日発表した共同作成の『春季経済予測』で、ドイツの実質国内総生産(GDP)成長率が昨年の3.0%から今年は0.9%に低下するとの見通しを示した。内需は好調を維持しているものの、欧州債務危機などの影響で外需が低迷しているためだ。ユーロ圏については0.3%のマイナス成長に落ち込むと予想している。(下の表を参照)

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春季予測によると、世界経済のリスクは現在、昨年秋に比べて大幅に低下しており、年初以降は多くの地域で企業と消費者の景況感が改善している。だが、最大のリスク要因である欧州債務問題は解消されていない。また、石油価格の高騰や新興諸国の景気減速などマイナス要因もあり、世界経済の成長率は今年が1.3%、来年も1.8%にとどまる。新興諸国の成長率が鈍っているのは先進国の経済が弱含んでいるため。

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世界経済が低迷するため、ドイツの輸出成長率は昨年の8.2%から今年は3.1%へと大きく低下する。ドイツ企業の価格競争力はユーロ安の効果で30年来最高のレベルに達しているものの、輸入の伸びが3.7%と輸出を上回るため、外需は今年、経済成長に寄与しない見通しだ。

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そうしたなか、内需は好調に推移する。個人消費は雇用の安定を背景に0.9%拡大。低金利も消費意欲を刺激する。

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企業投資は昨年に比べ伸びが鈍化するものの、設備投資は3.3%、建設投資も2.3%増加する。

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雇用情勢の回復は今後も続く見通しで、失業者数は昨年の298万人から今年は280万人、来年は262万人まで低下する。これを受けて人材不足の深刻化が進み、実質賃金は今年と来年の2年間で3%以上、上昇する。

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春季予測は今後の状況次第で2012年の独成長率が最低0.2%、最高1.6%になるとの見方も提示した。下振れリスクは欧州債務危機が再燃して資本市場が動揺すると現実味を帯びてくるとしている。

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ユーロ圏の重債務国の今後につては、アイルランド、イタリア、スペインの3国はこれまでに打ち出した改革を着実に実施すれば債務の対GDP比率が中期的に低下するが、ギリシャとポルトガルは同比率が極めて高い水準にとどまるかさらに上昇するかのどちらかだとみている。

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