製薬・化学大手の独Merckは24日、スイスのジュネーブにある製薬部門Merck Seronoの統括拠点を閉鎖し、独ダルムシュタットに移管すると発表した。先進諸国の医療制度改革や新薬開発の低迷を受けてコスト削減を余儀なくされているため。Merck本社のあるダルムシュタットに製薬部門の本社も移すことで収益力を改善する意向だ。
\ジュネーブで働く従業員1,250人のうち500人を削減する。残り750人はダルムシュタット、ボストン、北京に転勤となる。同社はスイスにある3工場でも計80人を整理する意向だ。
\Merckは2007年、スイス企業セローノを買収し、新子会社Merck Seronoに統合。これに伴い製薬部門の統括拠点をダルムシュタットからセローノの本社所在地ジュネーブに移管した。Merck Seronoのシュテファン・オッシュマン社長はロイター通信に対し「欧州に2つの統括拠点を保持していくことはもはやできない」と述べ、今回の措置への理解を求めた。
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