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2012/5/2

経済産業情報

中国の自動車生産能力は「3割過剰」

この記事の要約

会計・コンサルティング大手KPMGはこのほど、中国自動車市場に関する調査レポートを発表した。それによると、同国内の2014年の自動車生産能力は09年比で117%拡大し年3,500万台に達する見通し。増加幅は中国政府の5カ […]

会計・コンサルティング大手KPMGはこのほど、中国自動車市場に関する調査レポートを発表した。それによると、同国内の2014年の自動車生産能力は09年比で117%拡大し年3,500万台に達する見通し。増加幅は中国政府の5カ年計画に合わせたものだが、実際の需要に対し生産能力はすでに3割過剰となっている。今後は同国市場の頭打ちを受けて現地メーカーが輸出攻勢を強めると予想されるため、欧米メーカーが自国の過剰生産能力を輸出で相殺することは困難になるという。

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中国では現地メーカーあるいは国外メーカーによる工場の新設ラッシュが続いている。KPMGによると、2016年までに建設・操業開始が予定されている自動車工場の3分の2は中国に集中しており、工場数は09~14年の5年で120カ所から160カ所に拡大する見込みだ。

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一方、これまで高成長が続いてきた同国の新車市場には陰りが見え始めており、09年に前年比46%増、10年にも同32%増を記録した新車販売台数は11年には2.5%増にとどまった。小型車向けの税優遇措置が10年末で打ち切られたことが響いた。

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KPMGの担当者は「需要の変動に柔軟に応じられるために、生産能力にゆとりを持っておくことはある程度必要だが、3割の生産能力過剰というのは多すぎる。それにもかかわらず、市場でのプレゼンスを強化するために多くのメーカーが生産能力を引き上げている」と述べ、懸念を示した。

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