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2012/5/9

総合 - ドイツ経済ニュース

ガソリン価格を事前届け出制に、法案を閣議了承

この記事の要約

連邦政府は2日、ガソリンスタンド業界の規制強化に関する法案を閣議了承した。ガソリン小売価格を事前に届け出させることでスタンド同士の価格調整といった競争法違反行為に対する監視を強化し、価格の透明性を確保する狙い。石油業界団 […]

連邦政府は2日、ガソリンスタンド業界の規制強化に関する法案を閣議了承した。ガソリン小売価格を事前に届け出させることでスタンド同士の価格調整といった競争法違反行為に対する監視を強化し、価格の透明性を確保する狙い。石油業界団体は「業務の煩雑化とコスト増を招くだけだ」と反発している。

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フィリップ・レースラー経済相が提出した同法案は、◇全国の石油元売り大手、卸売業者、小売店は、燃料価格改定前にその種類(ガソリン、ディーゼル)、改定後価格、時間(いつからいつまで)、販売量といった詳細な情報をボンに新設する燃料価格監視当局に届け出る◇燃料価格監視当局は電力・ガス市場の監督機関(BNetzA)と連携して電気・ガス料金と原油価格の変動をモニタリングし、ガソリン価格が不自然な値上がりをしていないかチェックする――ことを骨子とする。

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これに対し中小の独立系ガソリンスタンドが加盟するエネルギー業界団体MEWのシュテフェン・ダガー会長は「同法案によって、ガソリン価格が下がることも価格の頻繁な変動に歯止めがかかることもない」と実効性に首をかしげる。また、業界関係者は「小売価格の半分以上は付加価値税などの税金。元売りや小売スタンドの価格設定だけをやり玉に挙げるのは公平性に欠ける」と批判している。

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