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2012/5/16

経済産業情報

独自動車関連業界が好調

この記事の要約

欧州債務危機などを背景に景気が冷え込むなかで、ドイツの中堅自動車関連メーカーの業績が好調に推移している。ElringKlinger(シリンダーヘッドガスケット)の2012年1-3月期売上高は前年同期比で16.1%増加、D […]

欧州債務危機などを背景に景気が冷え込むなかで、ドイツの中堅自動車関連メーカーの業績が好調に推移している。ElringKlinger(シリンダーヘッドガスケット)の2012年1-3月期売上高は前年同期比で16.1%増加、Duerr(塗装プラント)では同期の新規受注高が21.9%拡大した。Mann+Hummel(自動車・産業用フィルター)は11年通期決算で13.5%の増収を確保している。

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独プライベートバンクBankhaus Lampeのアナリストが『ファイナンシャル・タイムズ(ドイツ版、FTD)』紙に語ったところによると、独中堅自動車関連メーカーの強みは高い技術力に加え◇特定の分野に特化しており、競合が比較的少ない◇VWやダイムラー、BMWなど新興国で販売を伸ばす独自動車メーカーを主要顧客に持つため、飽和状態にある欧州市場の低迷分を相殺できる――ことにある。これに対し、プジョーやルノー(フランス)、フィアット(イタリア)など景気悪化で消費が冷え込んでいる国での販売比重が高いメーカーを主要顧客とするサプライヤーは、大きな打撃を被っている。

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Duerrは独Eisenmann、大気社(東京都新宿区)とならぶ世界で数少ない自動車塗装プラントメーカーの1社で、売上高全体に占める新興国のシェアは6割に上る。12年1-3月期の売上高は前年同期比56.8%増の5億6,240万ユーロ、営業利益(EBITベース)は3倍の2,960万ユーロに達した。

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プレス機械大手のSchulerでは12年3月中間期決算の売上高が44%増加した。上半期だけで前年通期にほぼ匹敵する新規受注高を獲得しており、12年9月通期の業績見通しを上方修正した。

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