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2012/5/16

経済産業情報

「移動通信市場は大きく成長する」=独ボーダフォン社長

この記事の要約

英ボーダフォンの独法人、Vodafone D2のフリードリヒ・ヨウセン社長は8日付『フランクフルター・アルゲマイネ』紙とのインタビューで、移動通信市場が今後5~10年で大幅に成長するとの見方を明らかにした。モバイルインタ […]

英ボーダフォンの独法人、Vodafone D2のフリードリヒ・ヨウセン社長は8日付『フランクフルター・アルゲマイネ』紙とのインタビューで、移動通信市場が今後5~10年で大幅に成長するとの見方を明らかにした。モバイルインターネットが真に普及するのは固定回線並みのサービスがLTE(次世代通信技術)などの移動通信技術で実現する時だと明言。同社は固定通信網への投資を控え、代わりにLTEインフラを拡大ており、将来の市場成長を見据えた戦略的な取り組みで競合に一歩先んじていると自信を示した。

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ヨウセン社長は関心の高い市場としてインド、中国のほか南米、アフリカを挙げた。これらの地域の多くではもともと固定電話がほとんど普及していない。固定回線を整備するより基地局設置で広域を一気にカバーする方が費用対効果が高かったため、固定電話より先に携帯電話が普及したためだ。インドでは携帯電話普及率が10ポイント上がるごとに国民1人当たりGDPが1%拡大するなど、移動通信が経済に与える効果は大きい。

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スマートフォン、タブレットPCの普及がモバイルインターネット市場拡大の火付け役になったとする考えについては、「当社の携帯電話サービス契約者3,600万人のデータトラフィック量は1日当たり0.4テラバイトにとどまる。固定回線契約者400万人では3テラバイトに達しており、ユーザー1人当たりのトラフィック量は60倍もの開きがある」と発言。他方、同社のLTEユーザーのトラフィック量は月当たり12ギガバイトで、DSL顧客平均(14~15ギガバイト)に近いと指摘し、LTEインフラ拡充の重要性を強調した。

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