食品大手のネスレ(スイス・ヴェヴェイ)がソーシャルメディア対応のリスクマネジメントに力を入れている。本社オフィスの一角では15人のスタッフがフェースブックやブログ、ニュースサイト、掲示板などで同社の製品やサービス内容に対しユーザー(消費者)がどのような書き込みをしているかを24時間体制でチェック。また、自社のフェースブックファンページを管理・運用し、ユーザーとのつながりを強めている。同社のパトリス・ブーラ取締役(マーケティング担当)が『ハンデルスブラット』紙に対して明らかにした。
\ネスレは2年前の株主総会で、パーム油の取引に関して環境団体グリーンピースのやり玉に上げられ、同社を揶揄するショッキングな映像ビデオをネット上に掲載された。これをきっかけにフェースブックのファンサイトに批判的なコメントが集中、対応を誤ったためにサイトが炎上したという苦い経験を持つ。ソーシャルメディアに精通したスタッフの配置やネット風評監視は、同じ過ちを繰り返さないための対策だ。
\ブーラ取締役によると、同社はフェースブックに計250のファンサイトを持ち、うち7つでは100万人以上のファンが登録している。同社のソーシャルメディア向け支出は広告費全体の約10%とかなり高く、ソーシャルメディアを通してマーケティングを重視していることが分かる。同取締役は「我々は消費者が望んでいることにまず耳を傾け、対話を通して消費者とかかわり合い、ブランドと消費者のつながりを強めていく必要がある」と狙いを語った。
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