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2012/6/6

経済産業情報

太陽光の変化を教室の照明に、若者の学習能率が向上

この記事の要約

太陽光の変化を教室の照明に取り入れることが、夜型の生活に偏りがちな若者の体内時計のリセットにつながり得ることを、ウルム大学と照明大手Osramが共同研究で明らかにした。真に効果があるかを確認するにはさらに試験を行う必要が […]

太陽光の変化を教室の照明に取り入れることが、夜型の生活に偏りがちな若者の体内時計のリセットにつながり得ることを、ウルム大学と照明大手Osramが共同研究で明らかにした。真に効果があるかを確認するにはさらに試験を行う必要があるものの、朝眠くて授業に集中できない生徒や、そうした生徒を担当する教師にとって朗報となりそうだ。

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ウルム大学付属神経科学研究所(ZNL)とOsramは、光が思春期~青年期段階にある生徒の学習能率に与える影響を調べるため、ウルム市内にある2つの学校でフィールド実験を行った。17~20歳の生徒を2グループに分けたうえで、Osramが試験用に開発・作成した太陽光模倣LED照明システムを設置した教室と、従来の照明を用いた教室で授業を実施。両グループは実験の前半・後半で使用する教室を交換し、実験期間中は定期的に注意力や集中力、バイオリズムの検査を受けた。

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Osramが開発した新たな照明システムは、白色LED(昼間の太陽光を模倣)と青色LED(早朝ないし日没後の光を模倣)の2種類のランプを組み合わせたもので、それぞれの光の出力を制御・混合して、太陽光の色温度と照度の変化を実現する。

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フィールド試験の結果、生徒の学習能率はOsramの照明システムを使用した教室でのほうが、そうでない教室に比べ明らかに高いことが確認された。また、体内時計のリセットもスムーズに行われ、朝ぼんやりする生徒が減ったという。実験に参加した生徒の1人は「前の教室では、居眠りしないようにするだけで大変だったのに、新しい照明では集中力が上がったことが分かる」と、その威力に驚いた様子だ。

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