過去最低水準の低金利で運用収益が悪化していることを受けて、保険会社が不動産投資を拡大している。会計監査法人のアーンスト&ヤング(E&Y)が5日発表した調査レポートによると、運用資産に占める不動産の比率を「増やしたい」と考える保険会社は全体の60%に上り、前年の調査に比べ6ポイント増加した。ただ、不動産投資の人気が高まった結果、良好な物件が品薄になっており、「投資しようにも投資できない」問題が生じているという。
\E&Yはドイツ国内の保険会社25社を対象に、今年3~4月にかけてアンケート調査を実施した。それによると、2012年初頭時点の保険会社の運用資産に占める不動産の割合は平均6.3%で、1年前に比べ0.2ポイント増加した。直接・間接保有の内訳は直接(保険会社が保有)が4.7%、間接(不動産ファンドなどを通した保有)が1.6%だった。年内の同比率引き上げ目標は平均0.4ポイント増の6.7%となっている。
\12年の不動産投資予定額は1社当たり2億8,400万ユーロ。国別の投資先(複数回答)では「ドイツ」(85%)と「(ドイツ以外の)欧州先進国・準先進国」(70%)の人気が高く、欧州以外の不動産も全般的に人気がある。例外は北米で、投資予定が35%から25%に減少。売却予定は29%から40%に増加した。
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