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2012/6/20

総合 - ドイツ経済ニュース

「ドイツは米国とならぶ重要な投資先」=中国企業アンケート

この記事の要約

中国企業が国外投資への関心を高めている。国内市場を開拓する余地が狭まり、事業のグローバル化が今後の課題として浮上しているためだ。コンサルティング大手アーンスト・アンド・ヤング(E&Y)のアンケート調査によると、 […]

中国企業が国外投資への関心を高めている。国内市場を開拓する余地が狭まり、事業のグローバル化が今後の課題として浮上しているためだ。コンサルティング大手アーンスト・アンド・ヤング(E&Y)のアンケート調査によると、ドイツは米国と並ぶ最も重要な投資先で、中国企業の進出が加速するとみられる。

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E&Yは4~5月にかけて中国の大手、中堅企業400社の経営陣を対象に同調査を実施した。それによると、「投資先として現在、最も魅力的な国」として中国を挙げた回答者(61%)が最も多かったものの、外国では米国とドイツがそれぞれ29%、25%に上り、インド(同18%)、ブラジル(15%)、日本(7%)を大きく上回った。外国投資を過去5年以内に行った企業に限ると、ドイツの比率は30%に達する。

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欧州に事業拠点を持つ企業(全体の9%)のうち、「ドイツに持っている」と回答したのは63%に上った。2位のフランスは13%にとどまっており、ドイツの人気が圧倒的に高いことが分かる。

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今後の国外投資計画でもドイツを挙げた経営者は14%で、欧州2位の英国、スペイン、フランス(ともに2%)を大きく上回った。

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「欧州事業の統括拠点として最も優れた条件を備えた国は?」との質問でもドイツとの回答が67%に達し、2位のフランス(同8%)に大きく水をあけた。研究開発拠点と生産拠点でもドイツを挙げた経営者がダントツで多く、それぞれ72%、46%に上っている。

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ドイツ評価が高いのは運輸、物流、通信などのインフラや研究機関が充実しているほか、従業員が全体的に勤勉で生産性が高いためだ。こうしたプラス要因が多いため、人件費の高さを甘受する傾向が強い。

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ドイツに投資する目的については「新たな市場を開拓するため」との回答が圧倒的に多く、71%に達した。同国を拠点に欧州市場の開拓を目指す意図がうかがわれる。2位の「生産拠点の確保」は13%にとどまった。

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対独投資の種類については「合弁会社の設立」を挙げる経営者が56%で最も多かった。企業買収は9%に上っている。調査担当者によると、合弁設立と回答した経営者の多くは将来的に過半数資本を掌握して買収することを念頭に置いているようだ。買収した場合は対象となったドイツ企業が持つノウハウを維持したいため、解雇や事業の中国移管は行わないという。

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ドイツの魅力的な投資先産業としては「機械」「自動車部品」との回答が最も多く、それぞれ57%、42%に達した。ドイツの機械メーカーは技術力が高いほか、経営規模が小さいものが多いため、買収標的となりやすい。自動車部品メーカーについては自動車メーカーへの販売チャンネル獲得につながるという期待がある。

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