欧州経済の中心地ドイツに特化した
最新の経済・産業ニュース・企業情報をお届け!

2012/6/27

経済産業情報

倉庫業界が大きく成長、ネット通販など追い風に

この記事の要約

ドイツの倉庫業界(貸倉庫・物流不動産)が急成長している。インターネット通販市場の拡大に伴う物流施設需要の増加が追い風となっているためだ。欧州債務危機を背景に経済が堅調なドイツの不動産が手堅い投資先として人気を獲得している […]

ドイツの倉庫業界(貸倉庫・物流不動産)が急成長している。インターネット通販市場の拡大に伴う物流施設需要の増加が追い風となっているためだ。欧州債務危機を背景に経済が堅調なドイツの不動産が手堅い投資先として人気を獲得していることも大きい。2011年に国内に新設された倉庫の面積は200万平方メートル(60万5,000坪)で、ほぼモナコの面積に匹敵する。20日付『ハンデルスブラット(HB)』紙が報じた。

\

独市場最大手Goodmanの新規貸付面積は昨年、68万平方メートルに上った。競合のGarbeも大きく成長しており、11年には09~10年の合算にほぼ匹敵する35万平方メートルを新たに貸し付けた。Garbeのヘンペル取締役(販売担当)によると空室率は2%に過ぎないという。

\

ドイツ国内の既存物流倉庫面積は3億3,000万平方メートルに達するが、供給過剰や市場飽和の問題は「全くない」と業界関係者は口をそろえる。需要が増えているほか、◇天井が低すぎる(10メートル以下)◇老朽化で最新の物流管理ソリューションを投入できない――など、借り手側のニーズを満たさない物件も多いためだ。Goodman関係者は「(利回り・価格・立地など)最低限の投資条件を満たす物件は全体の5分の1程度」と述べ、設備更新の余地は大きいとの見方を示した。

\