監査法人大手プライス・ウォーターハウス・クーパーズ(PwC)が独海運業101社を対象に実施したアンケート調査で、「収益悪化を受けて投資計画を先延ばしせざるを得ない」企業が全体の半数以上に上ることが分かった。需給のアンバランスによる海上運賃下落が背景にあり、損失を抑えるため運航を一時的に中止(係船)する計画の企業も3分の1に上った。「今回の不況を乗りきれず2年以内に淘汰される国内同業が出る」と考える企業は84%に上っており、業界再編が加速しそうだ。
\2012年の業績見通しについては、2社に1社が増収を見込む。ただ、11年の売上高が1億ユーロ以下の企業では減収を見込む企業が3分の1に上ったのに対し、年商1億ユーロ以上の大手では1社もなく、規模の大きさによって明暗がはっきり分かれている。
\世界海運市場におけるドイツの位置づけについて尋ねたところ、「今回の海運不況から回復後、独海運業界の重要性は不況前に比べ高まる」と回答したのは20社に1社に過ぎず、09年調査(5社に1社)から大きく後退した。国の融資を受けられる中国企業などに圧迫され世界シェアを奪われるとの懸念が高まっているようだ。
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