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2012/7/4

経済産業情報

アディダスがネット小売の「野放し」状態にメス

この記事の要約

スポーツ用品大手のアディダスは、オンライン小売業者の商品販売方法について一定の制限を課す方針だ。度重なる安売りや高級感に乏しいショップデザインなどによるブランドイメージ低下を防ぐ狙いで、自社サイトによる直販も強化する。販 […]

スポーツ用品大手のアディダスは、オンライン小売業者の商品販売方法について一定の制限を課す方針だ。度重なる安売りや高級感に乏しいショップデザインなどによるブランドイメージ低下を防ぐ狙いで、自社サイトによる直販も強化する。販売店との契約更新時に新条項を盛り込み2013年をめどに新システムに切り替える考えで、条件を受け入れない業者とは取引中止も辞さない構えをみせている。6月26日付『フランクフルター・アルゲマイネ』紙が報じた。

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アディダスが特に問題視しているのは通販大手Amazonやネットオークション大手Ebayなど、法人・個人を問わず誰でも販売できるオープンな電子商取引サイト。メーカーが製造・販売を中止した製品(売れ残り)や中古品、キズや汚れのある「訳あり品」が出品されることもあり、同社はブランドイメージの低下に神経をとがらせている。

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アディダスはすでに実店舗(オフライン)のスポーツ用品店などに対して、商品のディスプレー、店内の配置、店舗のコンセプト(ライフスタイル中心、フィットネス中心など)に合わせた品ぞろえなどを細かく指定しており、同社の広報担当者は「オフラインで実戦している決まりをオンラインでも守ってもらいたいだけ」と話す。

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靴・ファッション通販Zalandoは同社の新販売モデルに対応することで合意しているほか、Amazonも歩み寄りの姿勢をみせている。ただ、販売方法に口を出されることを嫌う小売事業者もおり、アディダスの試みが受け入れられるには時間がかかりそうだ。

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27日付『ファイナンシャル・タイムズ(ドイツ版)』紙によると、連邦カルテル庁にはすでに、アディダスの新しい販売規制に対する苦情が小売店から届けられている。

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