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2012/7/4

経済産業情報

銀行への信頼感、消費者の過半数が「低下」

この記事の要約

銀行に対する消費者の信頼感が薄れている。会計監査法人のアーンスト&ヤング(E&Y)が6月下旬に発表したリテールバンキングに関する国際比較調査レポートによると、過去1年間で銀行業界に対する信頼度が「低下した」と回 […]

銀行に対する消費者の信頼感が薄れている。会計監査法人のアーンスト&ヤング(E&Y)が6月下旬に発表したリテールバンキングに関する国際比較調査レポートによると、過去1年間で銀行業界に対する信頼度が「低下した」と回答したドイツ人は58%に達した。低下した理由として「公的支援で生き延びながら役員に高額ボーナスを支給するなどの業界風土」「行員の知識/金融商品の質に不満」などが挙がっており、銀行にとっては耳に痛い結果となった。

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E&Yは主要国のリテールバンキング顧客合わせて2万8,521人(うちドイツ人は1,003人)を対象に今年3月、聞き取り調査を実施。銀行への信頼度のほか、取引先銀行に対する忠誠度などを尋ねた。

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銀行への信頼が低下した理由として「自分の預金が失われることへの不安」を挙げたドイツ人は21%で、ギリシャ、フランス(27%)、ベルギー(29%)に比べて少なかったものの、ポルトガル(19%)、スペイン(17%)、イタリア(11%)を上回った。

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メインバンクをこれまでに変更した(あるいは変更する予定がある)と回答したドイツ人は51%で、前年に比べ3ポイント増加。続けて理由を尋ねたところ「手数料・料金が高い」が67%で最も多く、「窓口で不愉快な目にあった」(36%)、「顧客に合わせた商品が少ない」(24%)を大きく引き離した。

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複数の銀行に口座を持つ人は3ポイント増えて62%に上った。理由のトップは「(各金融商品で)手数料の安い銀行を選んだため」(51%)で、銀行の変更同様に、「料金の高さ」が最大の動機になっていることが分かる。

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