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2012/7/4

経済産業情報

合併目的のスクイーズアウト、出資比率90%規定は合憲

この記事の要約

子会社の吸収合併に向けてスクイーズアウト(少数株主からの強制的な株式買い取り)を行う場合の最低出資比率を90%とし通常のスクイーズアウトの同95%よりも低く設定した改正組織変更法(UmwG)の規定の是非をめぐる係争で、ハ […]

子会社の吸収合併に向けてスクイーズアウト(少数株主からの強制的な株式買い取り)を行う場合の最低出資比率を90%とし通常のスクイーズアウトの同95%よりも低く設定した改正組織変更法(UmwG)の規定の是非をめぐる係争で、ハンブルク高等裁判所は6月16日、同規定は所有権の侵害に当たらないとの判断を下した。判決理由で裁判官は、株式を強制的に買い上げられる少数株主はもともと当該企業の経営方針に影響を与える力がないと指摘。親会社が子会社の少数株主に適切な対価を支払う限り、スクイーズアウトに問題はないと言い渡した。

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裁判を起こしたのはイベント向けの技術コーディネートサービスを手がけるProcon Multimedia AG社の少数株主。Procon Multimediaの親会社である投資会社のMHG Media Holdings AGは同子会社株を90%保有しており、2011年12月に開かれた同子会社の株主総会で吸収合併に向けたスクイーズアウトを提案して可決させたところ、これを不当とする少数株主から提訴された。

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UmwGの90%規定を利用して合併に向けたスクイーズアウトを実施するためには、吸収合併の主体となる企業と対象企業がともに株式会社(AG)でなければならないため、MHG Mediaはスクイーズアウト決議の直前に有限会社(GmbH)から株式会社へと組織形態を変更した。少数株主はこれについても違法だと訴えたが、裁判で認められなかった。

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