雇用関係を解消する場合、企業は未消化の有給休暇を金銭に換算して当該の被用者に支給しなければならない。これは有給休暇法(BUrlG)7条4項に明記された決まりである。従来の判例では、この手続きは原則として当該年の年末までに行い、特別な事業がある場合も翌年3月末までに行わなければならなかったが、最高裁の連邦労働裁判所(BAG)は6月19日の判決(訴訟番号:9 AZR 652/10)でこの立場を覆した。
\裁判を起こしたのは被告企業で管理職として勤務していた元社員。同社員は2008年7月末付で中途退職した。その際、未消化の年次有給休暇が14日分残っていたため、翌年1月6日付の文書で、被告雇用主に対し金銭に換算して清算することを請求した。被告がこれを拒否したため提訴した。
\第1、2審は原告敗訴を言い渡した。判決の時点で有効だった判例に従えば、原告の請求権は08年末で失効していたためである。
\これに対し最高裁のBAGは、年次有給休暇の請求権は純粋に金銭的な権利だと指摘。有給休暇の取得権に倣って権利の行使期限を設定するのは不適切だとの新判断を示した。
\ \* 年次有給休暇の取得ルールと金銭換算による従来の清算ルール
\ \BUrlG7条3項には、各年の有給休暇は原則として同年末までに消化し、特別な事情がある場合も翌年3月末までに消化しなければならないとの規定がある。これまでは金銭に換算して清算する際に同規定に倣った時限ルールが適用されてきた。
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