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2012/7/11

総合 - ドイツ経済ニュース

ミニジョブの収入上限引き上げで与党合意

この記事の要約

独与党3党の労働政策担当者はこのほど、ミニジョブ(被用者の税金・社会保険料納付義務が免除される低賃金労働)の月収上限を来年1月から引き上げることで合意した。現行制度が導入されてから一度も引き上げられていないため、物価上昇 […]

独与党3党の労働政策担当者はこのほど、ミニジョブ(被用者の税金・社会保険料納付義務が免除される低賃金労働)の月収上限を来年1月から引き上げることで合意した。現行制度が導入されてから一度も引き上げられていないため、物価上昇を踏まえて現在の400ユーロから450ユーロへと変更する。野党や労組からは批判が出ている。

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現行のミニジョブ制度は2003年に導入された。税金・社会保険料を雇用者がすべて負担するため、被用者は支給額を額面通りに受け取れる。低賃金雇用の受け入れを促進して労働市場を柔軟化するほか、闇労働を減らす狙いがある。雇用者は税・社会保険料として支給額の30%に相当する額を一律で負担する。

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与党は被用者に軽減税率・社会保険料率が適用されるミディジョブ(ミニジョブよりも月収が高い低賃金労働)についても上限を現行の月800ユーロから850ユーロに引き上げることで合意した。

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これに対し、野党・社会民主党(SPD)のアンドレアス・ナーレス書記長は、ミニジョブ/ミディジョブは「女性を低賃金労働セクターに固定化する制度だ」と指摘。正規就労の拡大につながっていないとして、与党合意を批判した。与党内からも、低賃金労働の月収上限が引き上げられると、業界によっては正規雇用が圧迫されかねないとの懸念が出ている。

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