石油メジャーの米ExxonMobil が独子会社ExxonMobil Central Europe Holding GmbHを売却する方向で交渉しているもようだ。ブルームバーグ通信が消息筋の情報として5日報じた。同子会社はメディアの問い合わせに対し「親会社のそのような計画について一切情報を得ていない」と回答した。
\ExxonMobil Central EuropeはドイツでEssoブランドのガソリンスタンドを展開している。店舗数は1,100強で、市場4位に付ける。2011年の業績は売上高が128億ユーロ、利益が8億5,600万ユーロだった。
\ExxonMobil は燃料需要が低迷ないし後退している市場からの撤退を進めており、過去4年間で世界のガソリンスタンド網を3割削減。オーストリア事業は2010年に伊ENIに売却した。ドイツ市場は1990年代末から縮小し続けており、業界内では同社が独小売事業から撤退するのは時間の問題とみられている。
\売却交渉先の企業はロシアないし東欧の企業2~3社という。特に露石油大手Rosneftは買収に強い意欲をみせているもよう。同社は2年前に独製油会社Ruhr Oelの資本50%を取得し、ドイツ市場に参入しており、同国事業拡大の機会をうかがっている。
\独ガソリンスタンド市場はAral/BP、Shell、Jet/Congo Philips、ExxonMobil 、Totalの5社がシェアの大部分を握っている。カルテル当局はこの状況を好ましくないとみており、ExxonMobil Central Europeをこれら競合が買収することはカルテル法上の理由からあり得ない。
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