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2012/7/11

経済産業情報

ドイツテレコムのVDSL網開放条件を当局が承認

この記事の要約

電力・通信・鉄道網などの監督機関である連邦ネットワーク庁(BNetzA)は4日、ドイツテレコムのVDSL網開放に関する新たなビジネスモデルを承認した。同社は1月、VDSL網を大量に借り受ける大口顧客向けの割引制度を導入し […]

電力・通信・鉄道網などの監督機関である連邦ネットワーク庁(BNetzA)は4日、ドイツテレコムのVDSL網開放に関する新たなビジネスモデルを承認した。同社は1月、VDSL網を大量に借り受ける大口顧客向けの割引制度を導入したが、BNetzAは4月、競合による自前のインフラ敷設意欲がそがれかねないとして同モデルの運用を禁止。ドイツテレコムがこれに応じて貸出条件を修正したため、今回、ゴーサインを出した。

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ドイツテレコムは1月、ケルンを中心に事業を展開する競合NetCologneとネットワーク相互利用で提携したことに合わせ、同社のVDSL網にアクセスする競合向けの新たな割引料金を導入した。BNetzAによると、同制度は(1)ドイツテレコムの競合は利用したいVDSL回線の“割り当て分”を予約し、利用料金の一部を先払いする(2)競合は当該の割り当て分を11年間、一定額の料金で借り受ける権利を獲得する(3)利用料は稼働率に関係ないため、稼働率が高いほど1回線当たりの料金が下がる――という仕組み。

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BNetzAは同制度に対し、◇割り当て分を設けない小口顧客向けのVDSL回線貸出システムに対し、大口割引を正当化する根拠がない◇11年の長い拘束期間によって、競合が自前で通信インフラを敷設することが妨げられ、自由な競争が阻害される恐れがある――と強い難色を示し、運用を差し止めた。

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ドイツテレコムはこれを受け、条件の見直しに着手。◇VDSLの代わりに(自前の敷設などで)新しい光ケーブルが使用できるようになった場合は、契約当事者双方に契約解除権を認める◇回線割り当ての最低量を引き下げ、中小の通信事業者でも利用できるようにする――などの修正を行った。

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