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2012/8/1

総合 - ドイツ経済ニュース

選挙法に違憲判決

この記事の要約

独下院(連邦議会)選挙法の議席配分ルールは選挙の平等や政党の機会均等を保障した基本法(憲法)の規定に違反するとして野党と市民2,000人が提訴していた係争で、連邦憲法裁判所は7月25日、同ルールの違憲を認定し即時無効を言 […]

独下院(連邦議会)選挙法の議席配分ルールは選挙の平等や政党の機会均等を保障した基本法(憲法)の規定に違反するとして野党と市民2,000人が提訴していた係争で、連邦憲法裁判所は7月25日、同ルールの違憲を認定し即時無効を言い渡した。この結果ドイツは有効な選挙法が存在しない異例の状態に陥っており、下院の解散・総選挙を行うことはできない。また、中途解散が行われなくても来年秋には任期満了で解散となるため、下院は遅くともそれまで新たな選挙法を制定しなければならない。

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連邦憲法裁は2008年の判決で当時の選挙法を違憲とし、2011年までに改正するよう議会に命令した。政府与党はこれを受けて新選挙法案を作成。昨年9月の連邦議会で成立させたが、野党・社会民主党(SPD)、緑の党などが違憲訴訟を起こしていた。

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ドイツの選挙法は小選挙区制を加味した比例代表制を採用しており、小選挙区で強い大政党に有利な仕組みとなっている。小選挙区の獲得議席数が比例区の獲得議席数を上回った政党には超過議席(Ueberhangmandat)という上乗せ議席が配分されるためだ。連邦憲法裁の裁判官は今回の判決で超過議席自体は合憲としたものの、同議席の憲法上の許容上限は約15議席だとの判断を提示しており、今後制定する選挙法ではこの判断も考慮しなければならない。

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超過議席の数は1990年代に入って増加傾向にあり、09年に行われた前回選挙では過去最高の24議席に達した。

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