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2012/9/19

経済産業情報

鉄道技術見本市「Innotrans」、出展者数など過去最高に

この記事の要約

世界最大の国際鉄道技術専門見本市「Innotrans」が18日、ベルリンで開幕した。9回目となった今回は世界49カ国から前回(2010年)を272社上回る2,515社が出展し、過去最高を更新。屋内の展示スペース(実質出展 […]

世界最大の国際鉄道技術専門見本市「Innotrans」が18日、ベルリンで開幕した。9回目となった今回は世界49カ国から前回(2010年)を272社上回る2,515社が出展し、過去最高を更新。屋内の展示スペース(実質出展面積:9万4,608平方メートル)も初めて全て予約でふさがった。国外からの出展者の割合は前回より1ポイント高い57%に上っており、同見本市への関心の高さがうかがわれる。

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鉄道車両市場は大きな転換期を迎えている。これまで成長をけん引してきた中国市場で頭打ちの傾向が強まる一方で、湾岸諸国や南米などの新興諸国で環境負荷を低減する大量輸送手段として鉄道への関心が急速に高まり、成長地域がシフトしているのだ。また、新興国は今のところ欧米企業の先進技術を輸入するという構図をとっているものの、経済的発展にともない自国メーカーの技術力が上がれば、長期的に欧米メーカーとの競争激化が避けられなくなる。

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鉄道先進国の欧州では自治体や国などのインフラ整備事業者が財政難を理由に車両購入コストを削減。また、欧州連合(EU)域内では鉄道などの公共調達で競争入札が義務づけられており、地元の企業であれば優先的に受注を獲得できるという構図は成り立たなくなっている。

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その一例が英国鉄道の高速鉄道プロジェクトだ。同プロジェクトでは日立が並みいる競合を押さえて受注を獲得、受注規模は45億ポンドで、同国の最高記録を更新した。

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同社はドイツ鉄道(DB)がハンブルク地区に導入予定の近距離鉄道車両でも受注競争の最有力候補と目されており、これまでの調達先であるボンバルディア(ベルリン)、シーメンス(ミュンヘン)に取って代わる公算が高い。

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