工作機械大手の独Gildemeister(ビーレフェルト)が戦略提携先の森精機と合併することを検討しているとの観測が浮上している。地方紙『ノイエ・ヴェストフェーリッシェ』がリューディガー・カピッツア社長の発言として報じた。Gildemeisterの広報担当は報道内容を根拠がないと否定したものの、社長発言だけに尾を引きそうだ。
\カピッツア社長は同紙に対し、本社をドイツと日本に置く対等出資の新会社を設立したいとの考えを表明。これを実現するには株主の説得が必要だとの認識を示した。
\両社は2009年に戦略提携した。現在は森精機がGildemeister株を20.1%、Gildemeisterが森精機株を5.1%それぞれ保有している。両社の合併観測は以前からあり、森精機の森雅彦社長も2011年独メディアに対し、緊急のテーマでないと前置きしたうえで「Gildemeisterへの出資比率引き上げは考えられる」と発言。過半数株の取得や経営統合もあり得るとの立場を明らかにした。
\両社が合併すると売上高はおよそ35億ユーロに達し、世界最大の工作機械メーカーとなる見通しだ。
\Gildemeisterが14日発表した2012年12月期決算の最終利益は前期比81%増の8,240万ユーロとなり、過去最高を更新した。アジア、米国事業が好調で、欧州事業の不振が十二分に相殺された格好。売上高も21%増えて過去最高の20億3,700万ユーロに達した。今期は売り上げと新規受注がそれぞれ横ばいの20億ユーロ程度にとどまる見通し。
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