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2013/4/24

総合 - ドイツ経済ニュース

金融取引税はメーカーの業績にも影響

この記事の要約

欧州連合(EU)の一部加盟国が導入予定の金融取引税は銀行や保険会社などのほか、メーカーの業績にも大きな影響を与える――。監査法人大手KPMGは17日にこんな見通しを示した。\ 金融取引税は金融危機の大きな原因となった投機 […]

欧州連合(EU)の一部加盟国が導入予定の金融取引税は銀行や保険会社などのほか、メーカーの業績にも大きな影響を与える――。監査法人大手KPMGは17日にこんな見通しを示した。

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金融取引税は金融危機の大きな原因となった投機的な取引の抑制と、経営危機に陥った銀行を公的支援するための財源を銀行業界に前もって負担させる目的で2014年1月に導入される。導入するのはドイツ、フランス、イタリア、スペイン、オーストリア、ベルギー、ギリシャ、ポルトガル、スロベニア、スロバキア、エストニアの11カ国。欧州委が作成した具体案では、株式・債券取引に0.1%、デリバティブ(金融派生商品)取引に0.01%の率で課税。年300億~400億ユーロの税収が見込めるとしている。

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納税義務は銀行などのほか、純売上の50%以上を金融事業が占める持ち株会社やメーカーの子会社にも発生する。持ち株会社は本業を行わないほか、グループのヘッジ取引業務を担当しているケースが多いため、金融事業の比重が高い。DAX(ドイツ株価指数)採用企業ではデリバティブ取引の規模が年1,000億ユーロを超えるケースも稀でなく、金融取引税は1億ユーロのケタ台に達する恐れがある。KPMGによると、税収総額は欧州委の予想(300億~400億ユーロ)を大幅に上回る見通しという。

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