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2013/4/24

経済産業情報

建機市場で中国勢躍進、先進国メーカーは対策が必要に

この記事の要約

建設機械業界で中国メーカーの存在感が高まっている。企業コンサルティング大手のオリバー・ワイマンがこのほど発表した業界動向によると、世界の建機市場は今後8年間、年率2.8%のスピードで成長し、2020年には12年の1.25 […]

建設機械業界で中国メーカーの存在感が高まっている。企業コンサルティング大手のオリバー・ワイマンがこのほど発表した業界動向によると、世界の建機市場は今後8年間、年率2.8%のスピードで成長し、2020年には12年の1.25倍に拡大する見通し。アジア・南米、アフリカなどの新興国市場が成長をけん引する。ただ、これらの市場では操作と修理が簡単で壊れにくい「ローテク機械」の需要が大きいため、そうした分野に強い中国企業が躍進し、高付加価値製品に強いドイツなどのメーカーは不利になる可能性が高い。シェア獲得で後れをとらないために中国企業との合弁設立や、新興国にターゲットを据えた製品開発など、新たな戦略が必要だとしている。

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20年までの地域別の成長率は、日本・韓国が年0.9%、西欧が1.6%、北米が1.8%と平均以下にとどまる。また、中国は2.9%と平均を上回るものの、これまでに比べ成長が鈍化する。一方、ポーランド、ブルガリア、トルコ、バルト3国などの東欧諸国、アジア、中・南部アフリカ、南米などの新興諸国は3.7%の成長率を達成する見込みだ。

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12年のメーカー別ランキングをみると、トップ10にランクインした中国企業は6位が最高だが、20年には3位以内に浮上する見通し。トップ10入りする企業数も3社以上となる。

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同レポートに関しドイツ機械工業連盟(VDMA)のリントナー会長は独『ヴェルト紙』に対し「標準規格製品では中国企業が飛躍的に躍進している」と述べ、西欧メーカーにとって侮れない競合になりつつある」と警戒感を示した。

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