ドイツ機械工業連盟(VDMA)東部支部は4月24日、東部ドイツの機械業界をテーマとする専門会議をライプツィヒで開催した。会議では同地の機械メーカーがニッチ市場に特化し、旧社会主義国として東欧諸国とのつながりが強いなどの強みを持つものの、事業規模が小さく新市場の開拓に消極的といった問題点があると指摘された。グローバル化の流れに取り残されずに発展を続けるためには、「企業同士の提携・ネットワーク化」「人材確保」「世界市場への目配り」が重要だとしている。4月25日付『フランクフルター・アルゲマイネ』紙が報じた。
\VDMAによると、東部ドイツの機械業界は堅調な発展を遂げており、従業員50人以上の事業所の売上高は2001年の計87億ユーロから12年には153億ユーロへと増加した。輸出比率はこの間に36.4%から50.6%へと上昇、就業人口も同6万6,000人から7万7,200人に拡大した。
\ただ、事業所数は500社から461社に減少した。ケムニッツ工科大学の研究チームはこの点について「事業所の大半は農村部などの人口希薄地域にあり、従業員10人以下というケースがほとんどだ」と指摘。人材確保が難しいことを明らかにした。従業員50人以上の事業所はすでに「中堅企業」に当たるという。
\事業規模の大きな機械メーカーのほとんどはLiebherr、Nordex、Koenig&Bauerなど旧西ドイツ系の企業で、統一から25年たった後も生き残っている生粋の地元企業はSamag(従業員700人)などごくわずかだ。
\ほとんどの企業は規模が小さいながらも確実な需要が見込めるニッチ市場に特化しており、顧客の要望にきめ細かく応じるカスタム品の生産を得意とする。ただ、それぞれのニッチ市場である程度の地位を確保しているため、他社と提携することに消極的な「一匹狼」が多く、輸出や国際化などを推し進めるうえで大きな障害になっているという。
\また、東部にはフラウンホーファー研究所や研究レベルの高い大学が少なくないものの、卒業生のほとんどは西部地域で就職するため、エンジニアなどの専門家の確保が極めて難しいという問題も抱えている。このため、地元の中学校や高校などと協力し、時間をかけて将来の人材とのつながりを作り上げる努力が必要と専門家は指摘する。
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