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2013/5/2

経済産業情報

企業が相乗り通勤導入、社内の風通し良好に

この記事の要約

乗用車の相乗り通勤制度を導入する企業がドイツで増えている。アプリに表示される出発時間や場所をみて、従業員同士で連絡を取り合い一緒に通勤。環境にやさしくコストも削減でると評判だ。『南ドイツ新聞』が4月29日付で報じた。\ […]

乗用車の相乗り通勤制度を導入する企業がドイツで増えている。アプリに表示される出発時間や場所をみて、従業員同士で連絡を取り合い一緒に通勤。環境にやさしくコストも削減でると評判だ。『南ドイツ新聞』が4月29日付で報じた。

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もともとドイツには相乗り文化が根付いており、旅行の際など日常的に利用されている。それをさらに企業向けにアレンジしたのがITサービス会社Flinc(ルードヴィヒスハーフェン)だ。ドイツでは自動車1台につき1.1人しか乗車しておらず、相乗りを普及させれば、渋滞の解消、二酸化炭素(CO2)の排出削減、路上駐車の減少につながる。

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社内的にも◇部署の垣根を越えた交流が増え会社の風通しがよくなる◇社用車の数を削減できる――などのメリットがある。Flincには月4万件の問い合わせがあり、すでに大手企業ボッシュ、BASFなどもシステムを利用。月々の使用料は会社が負担している。

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アパレル大手のMarc O’Polo(シュテファンスキルヒェ)は去年の11月に導入。従業員の多くが70キロメートル離れたミュンヘンに住んでおり、以前は毎日500台の通勤車両が駐車場に並んでいた。導入後は自主的に114人が登録。今後は社有車なども活用し、従業員の半数の登録を目指す。

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ビジネスソフト大手の独SAPでは従業員が独自のカーシェアリングシステムを考案した。現在5,800人が登録。これまでにCO2排出量を47トン、走行距離を33万キロメートル削減することに成功した。上司部下の関係を問わず利用している。数カ月に一度は社長が自ら運転、従業員の声に耳を傾ける機会となっている。

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