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2013/5/2

ゲシェフトフューラーの豆知識

事業所委の会議、緊急性のない場合は仕事が優先

この記事の要約

従業員の代表である事業所委員は事業所委員会(Betriebsrat)の業務遂行に必要な場合、仕事を免除される。これは事業所体制法(BetrVG)37条2項に明記されたルールであり、事業所委の会議もこれに当る。では、事業所 […]

従業員の代表である事業所委員は事業所委員会(Betriebsrat)の業務遂行に必要な場合、仕事を免除される。これは事業所体制法(BetrVG)37条2項に明記されたルールであり、事業所委の会議もこれに当る。では、事業所委の会議に参加する権利は常に仕事に優越するのだろうか。この問題をめぐる係争でヘッセン州労働裁判所が2月に決定(訴訟番号:16 TaBV 261/12)を下したので、ここで取り上げてみる。

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裁判は外食事業者がフランクフルト空港内で運営する店舗の事業所委員会が起こしたもの。同事業所委は2012年1月から5月にかけて、週に1回の通常会議のほかに、特別会議を計41回、開催した。2月前半まではほぼ毎日、会議を開いていた。

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雇用主は特別会議に緊急性がないと判断したため、会議に参加した事業所委員2人に警告処分を出した。事業所はこれが同委の活動の妨害に当たるとして提訴した。

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第1審のフランクフルト労働裁判所は原告の訴えを棄却。第2審のヘッセン州労裁も1審決定を支持した。決定理由で裁判官は、事業所委は2月前半までほぼ毎日、会議を開いていたが、そうした必要性があったとは判断できないと指摘した。最高裁への上告は認めなかった。

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