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2013/5/8

総合 - ドイツ経済ニュース

乗用車市場が2年連続縮小の見通し

この記事の要約

ドイツ自動車工業会(VDA)は3日、2013年の国内乗用車市場規模を従来予測の300万台強から290万~300万台に下方修正した。1~4月の乗用車新車登録台数が前年同期比8.5%減の95万8,401台と振るわなかったため […]

ドイツ自動車工業会(VDA)は3日、2013年の国内乗用車市場規模を従来予測の300万台強から290万~300万台に下方修正した。1~4月の乗用車新車登録台数が前年同期比8.5%減の95万8,401台と振るわなかったため。減少は2年連続となる(グラフ参照)。

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VDAによると、欧州債務危機に伴う経済の先行き不透明感を背景に、経済が安定しているドイツでも消費者が支出を抑制。これが新車販売の不振につながっているという。

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ドイツ連邦陸運局(KBA)が同日発表した2013年4月の乗用車新車登録台数は前年同月比3.8%増の28万4,444台となり、6カ月ぶりに拡大へと転じた。個人による登録がやや増えたほか、比較対象の12年4月に比べ営業日数が2日多かったことが大きい。

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増加率が最も大きい部門はキャンピングカーで20.6%に達した。SUVも15.2%増と2ケタ台の伸びを記録している。一方、オフロード車は2.9%減少、中型車は7.3%落ち込んだ。

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ガソリン車は6.7%増加し、全体に占める割合が52.4%に達した。ディーゼル車は0.1%減。数は少ないものの、電気自動車(91.1%増)と天然ガス車(79.8%増)、ハイブリッド車(66.8%増)は大幅に拡大した。走行1キロメートル当たりの二酸化炭素(CO2)排出量は平均137.2グラムで、前年同月から4.1%減少した。

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ブランド別ではジャガーの増加幅が最も大きく187.6%増の463台に拡大。スバルも127.6%増の1,179台と3ケタ台の伸びを記録した。セアトも67.8%増の7,589台と絶好調だった。

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ドイツ車はミニ(18.3%減の3,080台)とスマート(12.1%減の3,050台)、BMW(10.2%減の2万882台)が落ち込んだ以外はすべて増加した。ポルシェは16.0%増の2,275台、メルセデスは6.4%増の2万7,262台、アウディは5.9%増の2万6,263台、フォルクスワーゲン(VW)は4.2%増の6万3,670台。販売不振が続いたオペルとフォードも4月はそれぞれ7.4%増の2万302台、6.4%増の1万9,428台に拡大した。

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スバル以外の日本車は三菱が40.9%増の2,663台、ホンダが23.3%増の2,544台、トヨタが17.7%増の6,634台に拡大。スズキ(3.3%減の2,726台)と日産(4.5%減の3,851台)、レクサス(6.7%減の125台)、マツダ(11.5%減の2,811台)は落ち込んだ。

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日本車以外の主な輸入ブランドはランドローバー(37.3%増の1,174台)、ダチア(33.0%増の4,635台)、起亜(25.2%増の5,388台)、ルノー(5.3%増の9,556台)、フィアンット(2.7%増の7,584台)、シュコダ(2.3%増の1万2,750台)、現代(0.3%増の8,465台)が増加。シボレー(3.3%減の2,806台)、ボルボ(16.0%減の2,737台)、シトロエン(16.7%減の4,494台)、プジョー(22.5%減の5,708台)は減少した。

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一方、VDAが同日発表した4月の乗用車国内生産台数は50万800台で、前年同月を17%上回った。輸出台数は同11%増の36万7,300台。1~4月の累計では国内生産台数が前年同期比5%減の183万2,100台、輸出台数が同4%減の140万2,600台だった。

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