国際風力発電見本市の開催地をめぐりフーズム(シュレスヴィヒ・ホルシュタイン州)とハンブルクの見本市運営会社が対立していた問題で、両社は4月29日、2014年9月の開催から会場をそれまでのフーズムからハンブルクに移すなどの妥協案で合意した。国際見本市は偶数年にハンブルクで共同実施、フーズムでは奇数年に国内見本市を共催する。フーズム見本市社は14年の見本市中止に伴う損害についてハンブルク見本市から補償金を受け取る。
\フーズム見本市社は1989年から、風力発電関連見本市「Husum WindEnergy」を開催している。再生可能エネルギーへの関心の高まりなどを追い風に同見本市は成長を続け、12年開催では出展者数が1,200社、来場者が3万6,000人に達した。ただ、フーズムの会場の狭さや地の利の悪さなどからこれ以上の規模拡大は望めない。こうした状況を受けてハンブルク見本市社は、14年からHusum WindEnergyと同じ時期に独自の風力発電見本市を開催する方針を表明。これをきっかけに両見本市社が対立し、両州政府をも巻き込んだ争いに発展した。
\両見本市の対立が続くことは風力発電業界にとってマイナスとして、両州の業界団体が仲裁に乗り出し、粘り強い交渉の末、今回の合意にこぎ着けた。業界関係者は今回の合意を歓迎、大手企業は2019年まで両方の見本市に出展することを確約するなど支援の姿勢を示している。
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