偽造医薬品の流通防止システム開発に取り組むプロジェクト団体「securPharm」は23日に発表した中間報告で、2次元バーコードを用いて製品の真贋(しんがん)を確認するシステムの実証試験が順調に進んでいることを明らかにした。同プロジェクトは偽造医薬品の撲滅に向けた欧州連合(EU)指令を受けて2011年に立ち上げられた。
\ドイツでは昨年、偽造医薬品が32万1,000点、押収された。金額にすると約480万ユーロに上る。医薬品業界団体はこの現状を打開するために真贋の確認システムを共同開発、年初に実証試験を開始した。試験には現在、製薬会社24社と薬局およそ280店が参加している。システム導入費用はおよそ600万ユーロ。
\製品パッケージにはデータマトリックスコードに変換したシリアル番号が印刷され、データは製薬会社の共同データバンクに保存。薬局で販売する際にバーコードリーダーで読み取り、データバンクに照会すると、偽造品か純正品かが分かる。これまでに行った3万件強の照会では純正品であることが確認された割合が99.5%に達した。販売の際の時間のロスは少なく薬局の負担になっていないという。
\プロジェクト費用を製品価格に転嫁すると、ひと箱につき3~6セントの値上げが必要となるため、securPharmはひと箱につき3セント、年間で計2,100万ユーロを補助する。対象となるのは特許薬で、年7億個。今後はプロジェクトに参加するメーカー、薬局の数を増やし、2017年までにシステムを包括的なものへと拡充する意向だ。
\「securPharm」には独医薬品製造業者連盟(BAH)、独製薬工業会(BPI)、研究開発型製薬工業会(VFA)、医薬品卸売業界団体PHAGRO、独薬剤師団体全国連盟(ABDA)の計5団体が参加している。
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