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2013/5/29

経済産業情報

ソフト大手SAPが自閉症患者を積極採用へ

この記事の要約

企業向けソフトウエア大手の独SAPは21日、自閉症患者を社員として積極的に採用していく方針を発表した。自閉症患者は健常者にはない能力を持っていることが少なくなく、これを活用することで競争力を高める意向だ。自閉症患者の就職 […]

企業向けソフトウエア大手の独SAPは21日、自閉症患者を社員として積極的に採用していく方針を発表した。自閉症患者は健常者にはない能力を持っていることが少なくなく、これを活用することで競争力を高める意向だ。自閉症患者の就職を支援するデンマーク企業Specialisterneの協力を受けて、プロジェクトを進めていく。

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自閉症は社会性や他者とのコミュニケーション能力に困難が生じる障害。知的障害を伴うケースもあるが、そうでない患者の知的能力は健常者と変わらない。集中力や記憶力が極めて高い人も多い。

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SAPは2011年、自閉症患者をインドの開発センターで採用。12年にはアイルランドでも同様のプロジェクトを実施した。この結果、自閉症患者が加わったことで開発チームの生産性と一体感が強まったことが確認されたため、この取り組みを全世界に拡大する。今年はドイツとカナダ、米国の3カ国で実施。20年までには全従業員(6万5,000人)に占める自閉症患者の割合を1%に引き上げる意向だ。ソフトのバグ探しや品質チェックなどの分野に投入する。

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自閉症患者を採用する企業は少ないものの、『フランクフルター・アルゲマイネ』紙によると、ベルリンのITコンサルティング会社Auticonではバク探しの社員が全員(14人)、自閉症患者という。

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