投資会社EQTとGICは19日、傘下の学術出版社Springer Scienceを英投資会社BC Partnersに売却すると発表した。取引金額は最大33億ユーロで、投資会社がドイツ企業を対象に行う買収では過去7年間で最大となった。
\EQTとGICは14日、同子会社をBC Partnersに売却する交渉を打ち切り、新規株式公開（IPO）に切り替える方針を打ち出したが、BC Partnersがその後、買収条件を引き上げたため、再び方針を転換した。ロイター通信によると、BC PartnersはEQCとGICにまず31億ユーロを支払い、Springer Scienceの業績が好調に推移した場合は約2億ユーロを追加する。EQCとGICは今後もSpringer Scienceに合わせて約10％出資する。
\EQTとGICはSpringer Scienceを 3年前に23億ユーロで取得。その後、計3億400万ユーロを投じて経営拡大を図ってきた。
\Springer Scienceはベルリンに統括拠点を置く出版社で、年に8,000点以上の書籍を出版。英語系の専門誌も約2,200点を発行している。売上高は過去3年間、年6％のスピードで拡大し、昨年は9億8,100万ユーロに上った。営業利益（EBITDAベース）も同12.6％成長、昨年は3億4,100万ユーロを記録した。今後は出版のデジタル化、事業の国際化を推し進めるとともに、データベース事業を強化していく。同社はメディア大手Axel Springerとは資本関係がない。
\
