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2013/7/10

総合 - ドイツ経済ニュース

60歳以上の被用者が急増

この記事の要約

60~65歳の高齢労働者が急速に増えている。社会の高年齢化が進んでいるほか、以前に比べ早期退職をしにくくなっていることが背景にあるようだ。9日付『フランクフルター・アルゲマイネ』紙が連邦雇用庁(BA)のデータをもとに報じ […]

60~65歳の高齢労働者が急速に増えている。社会の高年齢化が進んでいるほか、以前に比べ早期退職をしにくくなっていることが背景にあるようだ。9日付『フランクフルター・アルゲマイネ』紙が連邦雇用庁(BA)のデータをもとに報じた。

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それによると、社会保険に加入する義務のある60~65歳の被用者の数は2012年12月現在で151万6,000人に達し、1年前に比べ12.4%増加した。07年12月(83万5,000人)に比べると82%も増えた計算だ。

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高齢労働者の就労率も急上昇。60~65歳全体に占める社会保険に加入する被用者の割合は12年12月に29.9%となり、前年同月比2.5ポイント増加した。07年12月からの増加幅は10ポイントを超える。

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BAは連邦統計局の古い人口統計に基づいて就労率を算出したが、統計局が今年5月に公表した最新データでは11年時点のドイツの人口がこれまでの試算より1.9%少なかったことが分かった。この事情を踏まえると、社会保険に加入する被用者の就労率はすでに30%を突破しているとみられる。また、自営業者とミニジョブ就労者(税金・社会保険料納付義務が免除される低賃金の被用者)、および社会保険への加入義務がない公務員を含めると60~65歳の就労率は50%を超えるもようだ。

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ドイツには高齢労働者の体力低下などを踏まえ、定年が近い従業員の労働時間を半減する高齢労働者パートタイム(Altersteilzeit)という制度がある。この制度の適用を受ける従業員は09年末までは労働局の補助金を受給できたため、生活水準が大幅に下がることはなかった。同補助金が廃止された現在、業界によっては補助金打ち切りに伴う経済的な不利益の相殺ルールを労使の合意で導入しているが、そうしたルールのない業界や企業では高齢者パートタイムを活用しにくくなっている。

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