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2013/7/17

総合 - ドイツ経済ニュース

西欧の企業倒産が3年ぶり増加、12年は+2.6%に

この記事の要約

信用調査機関クレジットリフォームが15日発表した西欧17カ国の2012年企業倒産件数は17万7,685件となり、前年比で2.6%増加した。増加はリーマンショック後の09年以来で、3年ぶり。財政危機と経済危機のダブルパンチ […]

信用調査機関クレジットリフォームが15日発表した西欧17カ国の2012年企業倒産件数は17万7,685件となり、前年比で2.6%増加した。増加はリーマンショック後の09年以来で、3年ぶり。財政危機と経済危機のダブルパンチを受ける南欧諸国で悪化が目立つ。

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クレジットリフォームは東方拡大以前から欧州連合(EU)に加盟する15カ国にスイスとノルウェーを加えた17カ国を対象にデータを収集した。それによると、企業倒産の増加率が最も大きかったのはポルトガルで41.6%に達した。これにスペイン(同32.0%)、オランダ(19.4%)、イタリア(13.5%)が続く。南欧諸国は不景気で企業業績が悪化しているうえ、銀行融資も受けにくくなっていることが倒産増加の主な原因だ。オランダは財政危機に陥っていないものの、不動産バブルが弾け経済が低迷している。

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ギリシャは深刻な景気後退に直面するにもかかわらず、6.7%減少した。背景には統計に捕捉されていない倒産が極めて多いという事情があり、実際の件数は増加した可能性が高い。

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減少率が最も大きかったのはノルウェーで、12.4%に上った。ドイツ(同4.6%)、英国(3.9%)、フランス(2.4%)でも少なくなっている。

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倒産に占める割合が最も大きかった業界はサービスで、全体の38.2%を占めた。前年から1.3ポイント拡大している。一方、流通(ホテル・飲食業を含む)の割合は前年の31.2%から30.4%に低下。建設も同21.4%から20.8%へと下がった。製造は10.5%で横ばいを保った。(表参照)

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倒産に占める製造業の割合が高かった国はポルトガル(23.5%)、イタリア(22.7%)、スペイン(19.4%)の3国。クレジットリフォームによると、手工業的な零細企業の経営破たんが多かったという。

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建設業の倒産比率が最も高かった国は不動産バブル崩壊の影響が深刻なスペインで、31.5%に上った。また、サービス業の倒産比率が高いのはルクセンブルク(62.4%)、ドイツ(57.0%)、デンマーク(56.5%)など経済が高度に発達するとともに安定性も高い国だった。

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企業1万社当りの倒産件数は70社だった。分野別では建設業が107社で最も高く、これに流通(90社)、製造(63社)、サービス(52社)が続いた。

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企業の資金繰りに大きな影響をもたらす支払期間をみると、ドイツは中央値が26日で最も短かった。同じドイツ語圏のオーストリアも31日にとどまり、北欧諸国もデンマークの38日が最大だった(グラフ参照)。一方、南欧諸国とオランダは西欧平均(54日)を上回っており、ギリシャは142日に達している。

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