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2013/7/17

経済産業情報

スウォッチの部品供給削減合意を独禁当局が不承認

この記事の要約

スイスの独禁当局である競争委員会(COMCO)は12日、時計大手のスウォッチがグループ外企業に対する機械式ムーブメントとアソートメントの供給削減に向けてCOMCO事務局と取り交わした合意を承認しないと発表した。ムーブメン […]

スイスの独禁当局である競争委員会(COMCO)は12日、時計大手のスウォッチがグループ外企業に対する機械式ムーブメントとアソートメントの供給削減に向けてCOMCO事務局と取り交わした合意を承認しないと発表した。ムーブメント供給を段階的に減らしていくことには原則支持の意向を示したものの、同社とCOMCO事務局が今春に取り決めた合意は承認できないとしている。

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スウィッチはムーブメントのグループ外への供給を2021年まで段階的に削減していくことで同事務局と合意。また、ムーブメントの重要部品であるアソートメントについても25年まで供給を段階的に引き下げていくことを取り決めた。

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COMCOは12日付プレスリリースで、ムーブメント供給を段階的に減らしていくことに理解を示しながらも、「(スウォッチ子会社でムーブメントを製造・供給する)エタ・エス・アー・マニュファクテュール・オルロジェール・スイスはその場合、すべての顧客企業を原則的に平等に取り扱わなければならない」との立場を明らかにした。

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一方アソートメントについては、市場の現状と今後の見通しの不透明さ踏まえると供給削減は時期尚早だと指摘。当面は市場動向を見守りたいとの考えを示した。

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COMCOは2011年、スウォッチがグループ外のメーカーへの部品供給を全面的に中止する方針を表明したことを受け、独禁法上の調査を開始した。最終的な結論は出しておらず、現在は暫定的な措置を指示。ムーブメントについては12年と13年に10年比で85%の量を供給するよう命じている。14年については今回、同75%が妥当だとの見方を示した。

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アソートメントに関しては13年まで同95%に比率を維持するよう命じている。14年の比率については見解を示していない。

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スウォッチのニック・ハイエク社長はCOMCOの調査開始から2年以上が経ったにも関わらず最終決定が下されないことに遺憾の意を示した。特に同グループから部品供給を受ける競合がムーブメントの内製化に乗り出すなどの動きをみせないことを批判している。

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