デュッセルドルフ高等裁判所は14日、ケーブルテレビ(CATV)大手の米Liberty Globalが独同業Kabel BWを買収する計画を条件付きで認可した連邦カルテル庁の決定を無効とする判決を下した。公正な競争が阻害されるとした競合の訴えを認めたもので、判決が確定した場合、連邦カルテル庁は再審査を行わなければならない(訴訟番号:VI-Kart 1/12 (V))。
\Liberty Globalはすでに独CATV事業者のUnitymediaを傘下に持つ。このため連邦カルテル庁は、Kabel BWの買収計画について、寡占が強まる恐れがあるとして慎重に審査を実施。大口契約先のアパート管理会社に対し特別解約権を認めることなどを条件に2011年12月、買収を承認した。これに対しドイツテレコムとNetCologneは、カルテル庁の出した条件は不十分でUnitymediaの市場支配力が強まる恐れがあるとして、認可の差し止めを求める訴訟を起こしていた。
\デュッセルドルフ高裁の裁判官は、「CATV運営会社は地域独占の形をとっており、買収によって(他の地域で事業を行う)競合が直接脅かされることは基本的にない」としながらも、「Kabel BWはUnitymediaに買収されなければ3~5年以内に自力でUnitymediaの事業エリアに進出し競争関係になっていたと考えるに足る具体的な根拠がある」と指摘。その上で、UnitymediaはKabel BWを買収することで将来の競合を市場から駆逐することになり、公正な市場競争が失われるとの判断を示した。
\同高裁は最高裁への上告を認めなかったものの、同決定に対する抗告の道が残されており、判決は確定していない。
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