ドイツの健康社会研究所(IGES)が20日発表した薬剤支出に関するレポート『Arzneimittelatlas』の最新版によると、公的健康保険の2012年の同支出額は前年比0.7%増の292億ユーロと、わずかな上昇にとどまった。2010年に導入された特許薬強制割引制度の効果で薬価が抑えられたことが大きい。強制割引制度は13年末までの時限措置のため、14年は薬剤支出が急増し318億ユーロに達する見通し。
\加入者1人当たりの薬剤費は384ユーロ(0.4%減)。地域により額に大きな差があり、最高のメクレンブルク・フォアポンメルン州は490ユーロ、最低のバイエルン州は339ユーロだった。
\公的健保全体の想定薬物1日容量(DDD)は395億5,000単位(1.8%増)、加入者当たりでは575.7単位(1.7%増)だった。主な処方薬剤別の加入者当たりDDDは降圧剤が207単位で最も多く、酸疾患(胃炎など)が44単位、糖尿病が30単位、血栓症が21単位だった。抗がん剤は0.8単位、抗ウイルス薬(B型肝炎など)は0.6単位と比較的少なかった。
\同調査は特許薬業界団体VFAの委託を受けてIGESが実施した。
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