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2013/10/9

総合 - ドイツ経済ニュース

乗用車市場なお低迷、新車登録の減少幅縮小は営業日数効果

この記事の要約

ドイツの乗用車市場は依然として低迷しているもようだ。9月の新車登録台数は前年同月比の減少率が小幅にとどまったものの、これは比較対象の昨年9月に比べて営業日数が1日多かったためで、実質ベースでは大きく減少した。市場では販促 […]

ドイツの乗用車市場は依然として低迷しているもようだ。9月の新車登録台数は前年同月比の減少率が小幅にとどまったものの、これは比較対象の昨年9月に比べて営業日数が1日多かったためで、実質ベースでは大きく減少した。市場では販促措置が大規模に行われており、デュースブルク・エッセン大学自動車研究センター(CAR)の新車割引指数は過去最高を記録した。

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ドイツ連邦陸運局(KBA)が2日発表した2013年9月の乗用車新車登録台数は前年同月比1.2%減の24万7,199台、1~9月の累計は前年同期比6.0%減の221万7,019台だった。

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9月の登録台数で伸び率が最も大きかったブランドはランドローバーで、38.6%増の1,030台に拡大。これにジープ(20.1%増の669台)が続いた。

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ドイツ車ではこれまで販売不振だったオペルが13.2%増の1万9,243台と大きく拡大。フォード(1.2%増の1万6,144台)、ポルシェ(1.2%増の1,609台)、メルセデス(0.9%増の2万2,839台)、アウディ(0.7%増の1万9,424台)も前年同月を上回った。一方、フォルクスワーゲン(VW)は2.2%減の5万242台に後退。BMW(3.9%減の2万1,042台)、スマート(6.6%減の1,712台)、ミニ(33.8%減の2,657台)も落ち込んだ。

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日本車はマツダ(15.1%増の4,162台)、三菱(5.8%増の2,099台)、日産(5.5%増の5,354台)、スバル(4.9%増の836台)が増加。スズキ(8.7%減の2,306台)、トヨタ(17.5%減の6,876台)、ホンダ(36.1%減の1,915台)、レクサス(51.1%減の129台)は減少した。

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日本車以外の主な輸入ブランドで増加したのは現代(18.7%増の9,856台)、セアト(10.7%増の6,426台)、シュコダ(5.9%増の1万6,137台)。プジョー(3.2%減の5,000台)、起亜(4.7%減の4,120台)、フィアット(8.1%減の4,908台)、ルノー(8.6%減の7,111台)、シトロエン(12.7%減の4,227台)、ボルボ(17.7%減の2,603台)、シボレー(18.5%減の2.034台)、ダチア(18.7%減の2,691台)は後退した。

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市場シェアはVWがダントツの1位で、20.3%に達した。輸入車はシュコダの6.5%が最も高く、これに現代(4.0%)、ルノー(2.9%)、トヨタ(2.8%)が続く。

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新車に占めるガソリン車の割合は51.0%で、ディーゼル車(47.4%)を3.6ポイント上回った。電気自動車の新規登録は532台で、シェアは0.2%だった。

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ディーラー名義の新車登録3割に

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9月のCAR新車割引指数は前月の130から134に上昇し、過去最高を記録した(下のグラフを参照)。上位30モデルのディーラー割引は平均20.1%となり前月から0.3ポイント低下したものの、買い手未定の車両をディーラーが自ら陸運局に登録して取扱ブランドの新車登録台数を膨らます措置(いわゆるTageszulassung)が大幅に増えて指数が押し上げられた。CARのフェルディナント・ドゥーデンフェファー所長は「自動車市場の弱含み局面は終わっていない」との見方を示した。

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8月の新車登録台数に占めるTageszulassungの割合(9月の新車割引指数の算出基準の1つ)は29.6%となり、前月から4.4%増加した。

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Tageszulassungを行った車両は通常の新車より大幅に割り引いて販売される。このためディーラーが大規模なTageszulassungを行うことは新車需要が低迷していることを意味する。

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独ブランドで新車登録に占めるTageszulassungの割合が最も高かったのはVWで、34.8%に達した。VWグループの高級ブランド、アウディも29.7%に達している。一方、オペルは29.3%と同割合が高いものの、2011年10月以来およそ2年ぶりに30%を下回った。

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