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2013/10/16

企業情報

Merck KGaA―臨床試験の提携先を模索―

この記事の要約

製薬大手の独Merck(ダルムシュタット)が臨床試験の資金を確保するために投資家と交渉を進めている。同社は新薬の開発に相次いで失敗し痛手を負っており、共同開発を通してリスクを軽減する意向だ。製薬部門を統括するシュテファン […]

製薬大手の独Merck(ダルムシュタット)が臨床試験の資金を確保するために投資家と交渉を進めている。同社は新薬の開発に相次いで失敗し痛手を負っており、共同開発を通してリスクを軽減する意向だ。製薬部門を統括するシュテファン・オッシュマン取締役が英『ファイナンシャル・タイムズ』紙に明らかにした。

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Merckでは有力ながん治療薬「Erbitux」などの特許切れをにらんで新薬開発を進めてきたが、多発性硬化症治療薬「Cladribin」の販売許可を欧米当局から得られないなど相次いで失敗。経営陣はこれを受けて2011年秋にコスト削減に着手した。今年末までに年間コストを2億5,000万ユーロ圧縮する計画だ。

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臨床試験では特に規模が大きい最終段階のフェーズ3(第3相臨床試験)でコストがかさむ。オッシュマン取締役によると、フェーズ3のコストはがん治療薬で通常1億5,000万~4億ユーロ、多発性硬化症治療薬では最大6億ユーロに達するという。

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