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2013/10/30

経済産業情報

中古車の走行距離データ改ざんが横行、最大30%が該当

この記事の要約

全ドイツ自動車クラブ(ADAC)は28日、中古車の走行距離データが頻繁に改ざんされている事実を明らかにした。自動車メーカーの改ざん防止対策が不十分なことが問題だと指摘。自動車業界を批判するとともに、データ改善に用いる機器 […]

全ドイツ自動車クラブ(ADAC)は28日、中古車の走行距離データが頻繁に改ざんされている事実を明らかにした。自動車メーカーの改ざん防止対策が不十分なことが問題だと指摘。自動車業界を批判するとともに、データ改善に用いる機器の市販を法律で禁止するよう政府に訴えた。

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ADADは同日ミュンヘンで、走行データ改ざんを実演した。受話器ほどの大きさの機器をハンドルの下部にある点検用のOBC差し込み口とつないで操作すると、ダッシュボードに表示される走行距離は本来の19万キロから7万キロへと瞬く間に下がった。

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こうした手口で走行距離データを改ざんした中古車が市場に大量に出回っている。走行距離が短い方が高値で販売できるためだ。ADACの試算によると、国内で販売されている中古車の最大30%でデータ改ざんが行われており、被害額は年60億ユーロに上るという。

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走行距離データの改ざんは違法行為だが、改善に用いる機器の販売は禁じられておらず、インターネットで簡単に入手できる。また、そうしたサービスを提供する業者も少なくない。

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走行距離データの改ざんを防止するソフトウエアはすでに存在し、メーカーは出荷前に低コストでインストゥールできる。だが、実際にはそうしたソフトはインストゥールされていないため、ADACは「メーカーはデータ改ざんをほう助している」(トーマス・ブルクハルト副会長)と批判する。

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これに対し、独自動車工業会(VDA)は、新しい防止技術を投入しても改ざんの新たな技術が開発されるという「いたちごっこ」が続いていると指摘。ADACの批判は当たらないと反論した。

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