肥料大手の独K+S(カッセル)は14日の決算発表で、コスト削減計画を発表した。カリ事業で競合するロシアのUralkaliが拡販に向けて販売価格を大幅に引き下げる方針を打ち出し、価格競争力を高める必要が出てきたためで、現在およそ30億ユーロに上る事業コストを今後3年で5億ユーロ圧縮する意向だ。経営上の理由による整理解雇は行わない。
\カリ肥料の製造コストは現在、1トン当たり215ユーロに上る。同社はこれを205ユーロに引き下げる考え。コスト削減は産業・融雪向け塩事業でも行う。
\重要な投資計画はコスト削減の対象から外す意向。具体的にはカナダのサスカチュワン州にあるカリ鉱山の開発(投資総額29億ユーロ)と、独中部に持つカリ鉱山の環境負荷軽減事業(投資総額3億6,000万ユーロ)を計画通りに進める。
\2013年1-9月期決算の営業利益(EBIT)は5億5,630万ユーロで、前年同期を10.6%下回った。カリ肥料の価格下落を予想する農家が買い控えたことが影響。塩事業は78.2%の大幅な増益になったものの、カリ・マグネシウム事業の不振(減益率17.8%)を相殺できなかった。最終利益は3億6,770万ユーロで、27.5%落ち込んだ。
\売上高は0.7%減の29億7,250万ユーロ。カリ・マグネシウム事業は10.0%減の16億3,050万ユーロ、塩事業は14.7%増の12億2,070万ユーロだった。
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