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2013/11/27

経済産業情報

独ヨット業界の苦境続く

この記事の要約

独ヨット業界で業績不振が続いている。リーマンショックに伴う金融・経済危機の直撃からようやく回復した直後に欧州債務危機が襲い、主要顧客である南欧(地中海地域)向け輸出が冷え込んでいるためだ。業界最大手Bavaria Yac […]

独ヨット業界で業績不振が続いている。リーマンショックに伴う金融・経済危機の直撃からようやく回復した直後に欧州債務危機が襲い、主要顧客である南欧(地中海地域)向け輸出が冷え込んでいるためだ。業界最大手Bavaria Yachtbau(ビュルツブルク近郊のギーべルシュタット)では、最盛期には3,000隻を超えた販売数が現在は3分の1に激減。業界団体BVWWによると、業界売上高は1999年の水準に落ち込んでおり、回復の兆しは全くないという。独dpa通信が報じた。

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Bavariaはさきの金融危機で業績が悪化した。主要債権者であるヘッジファンドのAnchorage AdvisorsとOaktreeが09年に債権の大部分を放棄したうえで資本注入を実施したことで破たんを免れたものの、それから3年を経た現在も赤字が続いている。

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今年春に同社の社長に就任したコンスタンティン・フォンビューロウ氏は、「創業者は無駄のないスリムな経営で数十年にわたって黒字を維持してきたが、07年にBain Capitalに買収されてからは経営効率が軽視されてきた。我々は経営体制を見直し、年間販売数1,000隻でも生き残れる体制に転換する必要がある」と発言。収益力の強化に向けて事務管理部門で23人を整理する方針を明らかにした。

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