独連邦カルテル庁は11月27日、独病院2位のRhoen-Klinikumが運営する病院の大半を総合医療大手のフレゼニウスが譲り受ける計画について本格的な審査を実施すると発表した。フレゼニウスが傘下に独最大手病院Heliosを持つほか、医療製品の生産も手がけ病院に供給していることを踏まえ、踏み込んだ審査が必要と判断した。来年2月末までに審査を終了し、結論を出すとしている。
\フレゼニウスは9月、Rhoenから総合病院43カ所、外来専門病院15カ所を譲り受けることで合意した。取引金額は30億7,000万ユーロ。当初は友好的な株式公開買い付け(TOB)を通してRhoenを買収する計画だったが、巨大病院が成立することを懸念した競合Asklepiosと医療機器メーカーB.BraunがRhoen株を大量に取得して横やりを入れたためとん挫。フレゼニウスとRhoenの経営陣はこれを受けて、フレゼニウスがRhoen系病院の大半を譲り受ける計画を練り上げた。
\カルテル庁は今回の審査で、(1)国内各地の医療サービス市場でHeliosの影響力が高まり、公正な競争が阻害されないか(2)健康保険組合・医療保険会社に対するHeliosの立場が強くなり過ぎないか(3)人工透析製品などの有力メーカーであるフレゼニウスが医療サービス市場でシェアを拡大することは公正な競争を阻害しないか――の3点を吟味する。
\